20140720
asatte Vol.10 「まつりと音楽」設置店舗
【新宿】
SOUND STUDIO CRUE
ディスクユニオン 新宿本館
【渋谷】
アップリンク(UPLINK)
ヴィレッジヴァンガード フリークス渋谷パルコ
ヴィレッジヴァンガード 渋谷宇田川店
タワーレコード 渋谷店
ディスクユニオン 渋谷中古センター
TSUTAYA O-nest
【御茶ノ水】
ディスクユニオン お茶の水駅前店
【下北沢】
ディスクユニオン 下北沢店
下北沢THREE
※2014年7月20日現在での設置店舗になります。
※10部~設置させていただいているため、配布終了している可能性もあります。
※なくなり次第終了となっております。ご了承ください。
20140709
【asatteVol.10「まつりと音楽」WEB版1】祭りと音楽がつなぐもの
asatte Vol.10「まつりと音楽」では惜しくも掲載ができなかった素晴らしい原稿を
WEB版として公開しております。今回は沖縄生まれの新垣さんに執筆いただきました。
祭りと音楽がつなぐもの
祭りは地域性が色濃く出るものだと思うが、それに付随する音楽も比例して特徴あるものが多い。私が生まれた沖縄も独特の音階と踊りで形成されている。
「イーヤーサーサーハーイヤー」という掛け声と共に、太鼓の音と三線の音が交差する。大きな指笛の音でリズムを取り、それに合わせて踊るのが小さい頃の祭りの記憶である。エイサーといわれるそれは、沖縄伝統の踊り。地域ごとに祭りと化して頻繁に行われている。お盆にご先祖様を天国へ送り出す儀式であるということを小学校高学年の頃に知ったのだが、それまでは歌って踊るイベントごととしか思っていなかった。
「祭り」の語源や原義を調べれば、元々は神仏や祖先を慰めたり祈願したりする儀式や行為なので、使われる音楽も念仏歌が多いかと思いきや、恋愛や笑い話を題材にしているものも多いという。最近ではTHE BOOMの「島唄」やBEGINの『島人ぬ宝』など、現代音楽も使われていることから、形態をとどめず時代とともに進化している。当たり前のように踊ったり歌ったりしているが、先祖を敬うためのデリケートな行為でも、神様と私たちの領域を音楽と踊りがつないでくれているものかもしれない。
そんな伝統的な祭りにも触れながら、米軍基地に囲まれた地域で生まれたこともあり、異文化祭りにも親しんできた。アメリカの独立記念日を祝うカーニバルは、その日だけ閉ざされていた基地のゲートが一般にも開放される、県民とアメリカ人が交流できる唯一の場だ。アメリカ国歌やロック、カントリー、ヒップホップ、レゲエまで様々なジャンルの音楽が飛び交う。行き交う人々や雰囲気にのまれ、どこか違和感や怖さを子供ながらに感じていたが、流れる音楽だけは街中でかかっているものとあまり変わらない。ビール片手にリズムを取る人、陽気に踊る人、知らないもの同士が一緒に歌っている姿は徐々に安心感をおぼえ、空気をフラットにする。そこには国境、人種、年齢、性別も何もない、ただ純粋に人同士がつながっている。
音楽フェスもカーニバルに近いかもしれない。空間を共有し、一体感を生み出す。純粋に音楽が好き、聴きたい、楽しみたいと思う知らない者同士を引き合わせる。人がそれを重んじる限り、人と人とをつなぐツールとして祭りやフェスが絶対的に無くなることはないだろう。(新垣友海)
【asatteVol.10「まつりと音楽」WEB版2】とあるお祭り野郎バンドのこと
asatte Vol.10「まつりと音楽」では惜しくも掲載ができなかった素晴らしい原稿を
WEB版として公開しております。今回は堀中さんにジプシー・ブラスバンド、
ファンファーレ・チョカリーアについて書いていただきました。
とあるお祭り野郎バンドのこと
日毎に暑さを増し夏の訪れを感じると、幼い頃に参加した地元の町の夏祭りを思い出す。町に代々伝わる神輿で町中を練り歩き、その神輿に子供が乗って太鼓を叩く。その太鼓の叩き方やリズムにいわゆる教材はなく、上級生や大人に教わりながら見よう見まねで叩いてみる。思えばそれが最初の楽器体験だったかもしれない。どういう所縁の祭りだったか未だによく知らないままなのだが、ただその夏祭りを毎年楽しみにしていたという記憶だけは強く残っている。
その祭りの太鼓と同じように、口頭での伝承をベースとして活動し続けているバンドがいる。ファンファーレ・チョカリーア、ルーマニア出身のジプシー・ブラスバンドだ。彼らを扱ったドキュメンタリー・フィルム『炎のジプシーブラス ~地図にない村から~』に詳しいが、96年にとあるドイツ人に発見されるまでは、村の冠婚葬祭に呼ばれては演奏しに行くような、村の音楽隊だった彼ら。メンバーはアカデミックな音楽教育を受けた者たちではなく、村の若者がバンドのメンバーに教えを乞い、あるいは楽器を譲り受け、そうやって続いてきたバンドだ。活動の歴史の中で年長の中心メンバーを亡くしもしたが、それでも村の若者が新たに参加し、その新陳代謝の結果として今も活動を続けている。
音楽的には軍隊音楽などにルーツがあり、ヨーロッパやアジアの伝統音楽を取り込んだ独自のブラス・ミュージックだが、彼らの音楽の一番の特徴はなんと言っても「速さ」だ。曲によってはBPM200を超す曲もあり、それはメロコアやスラッシュ・メタルの速い曲にも匹敵する。誰と競うでもなく作り上げられたこの「速さ」は、祝い事や祭りでの演奏の中で進化を遂げてきた、彼らなりの祝祭の表現方法なのだと思う。
現在では世界中を旅して周るツアー・バンドとして活動する彼らだが、村の音楽バンドとしての出自に誇りを持って演奏している音楽は、享楽に満ちていて、ただただ楽しく、そして踊り狂うには最適だ。
そんな世界最速のジプシー・ブラスバンドにして屈指のお祭り野郎バンド、ファンファーレ・チョカリーアがまた今年も日本にやってくる。フジロックでのステージなんか、まさに祭りの中の祭りじゃないか。夏祭りを楽しみにしていた子供の頃のように、その高速ブラスを待ちきれない気分でいる。(堀中敦志)
asatteVol.10「まつりと音楽」完成いたしました
asatte Vol.10「まつりと音楽」 完成しました!
テーマはまつりと音楽。
祭りがある場所には人々の祀り、祈り、そして音楽がある。
今回は音楽と切っても切り離せない「まつり」をテーマにいたしました。
インタビューはほうのきかずなり(禁断の多数決)。
禁断の多数決サウンドにおける「まつり」の感覚を語っていただきました。
掲載店舗は随時更新いたします。どうぞ、よろしくお願いいたします。
執筆陣(敬称略)
板垣有
中村文泰
島田和彰
小沼理
新垣友海(WEB掲載)
堀中敦志(WEB掲載)
梶原綾乃(編集長/インタビュー)
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