20150805

FUJI ROCK 2015 新旧講座生レポート:その1

2年ぶりにこの企画(前回はこちら)が帰ってきました。

開催前後に何やかんや言われながらも、名場面が今年も続出したフジロックフェスティバル。
来年20回目の開催も無事最終日のゲートから確認することが出来ました。

フェスのアミューズメントパーク化やリア充化進んでるなーとか、経済がどうこうとか、完全に音楽の好みが分断化されているとか、ラインナップがパッとしないだとかいろいろと言われていますが、3日間自然の中で飲み食いしながら音楽にあふれる誰にも邪魔されることのない聖域は今年も健在です。

その感動を共有したい!
行ったことのない人に伝えたい!!
名演繰り広げたアーティスト教えたい!!!

ということで新旧岡村詩野音楽ライター講座生によるフジロックレポート2015です。


Kitty Daisy & Lewis


Day1:THE PALACE OF WONDER
ライター:四年生K

長い時を経て。さあ、ここから。

 生まれてこのかた60年のロックンロール(R&R)。ロックとはニアイコールな元となった原点としての音楽だけれども、賛辞する表現として音楽ジャンルに留まらない言葉になった。そして思えばフジロックも19年。色々言われたけど今年も出来たし、来年の20年目の開催も決まった。僕は苗場の祭りに今日、初めて行く。
 最狂ベーシストレミーが何十年にもわたって危機を乗り越え、ヘヴィ・メタリックにもハードコアにもサウンドの展開をしながらやってきたモーターヘッドの音楽は紛れもなくR&Rだった。エンターテイメント性溢れるステージングながらも山中には轟音が響き、老若男女が熱狂した。圧倒的であった。
 昼もヘブンで空にどこまでも音が抜ける中、家族によるレトロな音世界を見せたキティー・デイジー&ルイス。ピタコスなジャンプスーツを着たキティー・デイジー姉妹。スーツで決めた味のあるルイス。そして絶妙にサポートする両親とゲストのタンタン。深夜多くの人が密集したテントの中でメンバー目の前で見るライヴは異空間のよう。
 R&Rは音も時代も国境もトライブも超越する。そんな事を確認できた日の夜だった。そして、それは日本人にも出来る人がもっと出てくるはずだ!!
(文:四年生K)


Super Furry Animals


Day2:WHITE STAGE
ライター:堀中敦志

おかえり!毛むくじゃらの5人組

 日も傾いてぐっと風に爽快感が増したころ、6年ぶりに活動を再開したスーパー・ファーリー・アニマルズ(以下、SFA)がフジロックのステージへと帰ってきた。白い防護服で登場したメンバーが1曲目の「Slow Life」を演奏する中、ボーカルのグリフは戦隊ものの赤いヘルメットをかぶり、<拍手>や<もっと>と書かれたパネルを掲げてみせる。そんなおなじみのジョーク混じりのパフォーマンスに、観客も一気に盛りあがりを見せる。浮遊感のあるメロディーと多彩なコーラスワークで会場の温度を高めていく巧さに、このバンドの帰還を確信した観客も多いだろう。
 最後の曲の演奏中にキーボードのキアンを残してメンバーが退場した後、それぞれ毛むくじゃらの着ぐるみに金髪のウィッグでステージに戻り、白熱のジャムを見せつける。そうかと思えば、去り際には<ありがとう> <おわり>と書かれたパネルを掲げてまた観客を笑わせる。そんなシュールさも実にSFAらしい。
 彼らのライブには、みんなで一緒に飛び跳ねたり大合唱したりするところはないけれど、フジロックの自由な空気としっかりシンクロした素晴らしいパフォーマンスだった。
(文:堀中敦志)

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 全4回に渡って各ライターのベストアクトやフジロックにまつわる記事を紹介していく予定です。その2をお楽しみに!