今年1月にBCCKSよりリリースされた『YEAR IN MUSIC 2014』についてはBCCKS人気ランキング1位を達成するなど、多くの方にご覧いただき本当にありがとうございます。
この『YIM2014』に連動したブログ企画として、各著者による年間ベストディスクのショートレビューをお送りします。ぜひそれぞれの著者にも注目し、引き続き『YIM2014』楽しんで頂ければと思います。
*****この『YIM2014』に連動したブログ企画として、各著者による年間ベストディスクのショートレビューをお送りします。ぜひそれぞれの著者にも注目し、引き続き『YIM2014』楽しんで頂ければと思います。
著者:夏梅実
掲載原稿
Year in Music 2014
- ザバダック『プログレナイト2014』
- 初音階段『恋よ、さようなら』
- 大坪ケムタ・田家大知『ゼロから始められるアイドル運営』
- コンピレーション『Light Mellw Avenue ~ビクター編』
- タキオン『タキオン』
- マリア観音『犬死に トゥー・マッチ・エディション』
- ナチコ『薬屋の娘』
年間ベストディスク2014
ザバダック『プログレナイト2014』
2012年から続く3度目となる「プログレナイト」を収録したライブ盤。2014年の日本のプログレの最重要作品であるとともに、最近のライブでは定番となった今のザバダックの重要曲である福島民謡のロックアレンジ版「相馬二遍返し」を初めて収録した作品として記憶されることになるだろう。これ以降も2014年秋のプログレツアー、2015年春のプログレ祭りが続いており(?)、2015年の「プログレナイト」にも今から期待が高まる。
初音階段『恋よ、さようなら』
非常階段がボーカロイド・初音ミクをパートナーに選んだプロジェクト、初音階段(初音ミク+非常階段)。前年リリースの邦楽カバー編に続く洋楽カバー編だ。ケイト・ブッシュ「嵐が丘」、キングクリムゾン「風に語りて」など絶妙なセレクトの9曲に初音ミクのボーカルとJOJO広重のノイズギターが新たな息吹をもたらしている。
エレクトリック・アストゥーリアス『エレメンタルズ』
エレアスの待望の2ndアルバム。ライブバンド、エレアスだからこそのライブでの演奏を通じて完成度を高めてきた曲ばかりなので、リリース時点でライブでおなじみのバンドの代表曲集になっている。2014年は「Cruise to the Edge」で海外の新旧メジャーバンドとの共演を果たし、「日本の現役プログレバンド代表」の枠を大幅に超える活躍を見せた。2015年もアコースティックやマルチのアストゥーリアスと合わせて大山曜のアストゥーリアス・プロジェクトの躍進から目が離せない。
金属惠比須『ハリガネムシ』
2014年11月リリースながら、ライブ会場などごく一部でしか販売されていなかったこともあり、2014年作として十分な認知を得ることができなかった不利があったが、2015年2月から本格的に全国ディストリビューションが始まり、一気に評価の高まっている重要作。10年以上の活動歴を誇り、メキシコでライブを行うなど海外での評価も高い金属恵比須だが、バンド史上最強のメンバーによる本作でブレイクスルーを果たした。気鋭のシンガーソングライター入江陽がゲストボーカルとして参加している。
ムーンダンサー/タキオン『トリロジー-クロニクル(1977-81 デモ&アンリリースド・ライブ)』
厚見玲衣の率いるムーンダンサー、タキオンが2013年5月に奇跡の再結成ライブを果たした。そして2014年の夢の続きは、怒涛のリリースラッシュ。オリジナルアルバムの再発、前年ライブの2枚組と来て、3CD+DVD+豪華ブックレットで出た本作は両バンドのすべてを知ることのできるまさに決定版だ。ムーンダンサーの日本語の歌詞に書き換えられる前の洋楽志向の英詞バージョン、スタジオ作を遥かに凌ぐタキオンのライブの丸ごと収録など、当時これらが世に出ていれば、日本のロック史が変わっていたであろうと思わせる、貴重かつ必聴の音源集。